頭・後頭部の痛みのよくある原因
頭の中でも特に後頭部に起こる頭痛の原因には、以下のようなものが考えられます。
緊張型頭痛
精神的・肉体的なストレスを原因として起こる頭痛です。多くの方が、一度は経験されているタイプの頭痛です。首の後ろから後頭部にかけて、締め付けられるような痛みが生じます。「ジワジワした痛み」「ギューッとした痛み」と表現されることが多くなります。痛みの程度は比較的軽いものとなります。
後頭神経痛
後頭部に突発的に、かつ繰り返し起こる頭痛です。「ピリッとした痛み」「ズキッとした痛み」と表現されることが多くなります。
他の疾患との鑑別のため、CT検査が必要です。
脳動脈解離
後頭部に突発的に起こる強い頭痛です。事故などによる首の外傷、運動時の首をひねる動作などを原因として、動脈が裂けてしまった状態です。後頭神経痛、片頭痛と症状が似ており、MRI検査で診断する必要があります。
多くは、数カ月で回復します。ただ一方で、動脈瘤や血管の狭窄から、くも膜下出血や脳梗塞を起こす事例もあります。
性行為に伴う一次性頭痛
性行為中に起こる、鈍いまたは爆発的な後頭部の両側の頭痛です。頭痛の持続時間は1分~24時間と様々です。
頭痛が起きた時のよくある症状
緊張型頭痛など、多くの方が一度は経験し、また特別な治療が必要のないタイプの頭痛がありますが、頭痛が続くときには必ず専門の医療機関を受診しましょう。特に、「いつもと違う頭痛」を感じたときには、その背景に原因疾患が潜んでいる可能性が高くなります。
- 首から後頭部にかけての痛み
- 後頭部を含め頭全体が締め付けられるような痛み
- 後頭部の突発的な強い痛み
- 運動によって程度が増す後頭部の痛み
- だんだんと強さを増していく後頭部の痛み
- 「ピリッ」「ズキッ」「ジワジワ」「ギュー」という後頭部の痛み
頭痛の治し方・対処法について
緊張型頭痛
マッサージや入浴、適度な運動などの方法で心身をリラックスさせることで、症状の軽減が期待できます。またこれは緊張型頭痛の予防という意味でも有効です。
鎮痛剤での効果は認められますが、副作用のリスクや、原因(ストレス)への対処が十分に可能であることを考えると、あくまで応急処置の手段に留めるべきと言えます。
後頭神経痛
鎮痛剤の使用により、症状を軽減します。
通常、1~2週間程度で治まります。
脳動脈解離
血圧管理によって脳梗塞や脳出血の予防に努めつつ、定期的に経過を観察します。
解離の部位や程度によっては、開頭クリッピング術やコイル塞栓術などの手術が必要になることがあります。
性行為に伴う一次性頭痛
性行為前の、インドメタシン内服が予防に有効です。